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旧日光道中 その5

宇都宮-徳次郎-大沢-今市
  
旧日光道中・旧奥州道中を歩く トップページ (目次)
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区間 宿場間
計算距離
GPS測定値 歩数計 備考
宇都宮-徳次郎 9.20 km 10.24 km 14,844 徳次郎は下徳次郎まで
徳次郎-大沢 9.31 10.60 15,090 徳次郎は下徳次郎から
大沢-今市 7.80   7.59   12,896  
合計 26.31 km 28.43 km 42,830
日本橋からの累計 137.62 km 149.42 km 212,112
日光道・奥州道の累計 137.62 km 149.42 km 212,112 GPS測定値と歩数に、寄り道、道の間違いロス分を含む
 
map
2014年4月
    
 
 
宇都宮から徳次郎、大沢を経て今市まで
       
 
 
並木街道 そして 大谷石街道
 有名な日光道中の杉並木であるが、その規模の大きさに驚いた。日光道中の大沢から今市を経て神橋までが19.6キロメートル、さらに日光例幣使街道の小倉から今市まで13.9キロ、そして会津街道の大桑から今市まで3.9キロで、総延長は37キロメートルという。1万6千本あった杉が、最近は数が減っていると心配されているが、それでも、樹齢370年以上の杉が1万2千本あるという。今回の街道歩きでは、大沢からの19.6キロの杉並木を歩いたことになる。
 
 国道の整備のために、全国的には、並木がどんどん切り倒されてきた中で、この日光道の並木では、逆に、並木を守るために、国道を迂回させたり、車の通行を制限して保護されてきた。見事である。延々と続くこの杉並木、昔から日光参詣への序曲として、気持ちを高揚させただろうし、旅人にとって、暑い日差しを防いでくれるありがたい存在だっただろう。しかし、行けども行けども変わらぬ景色に、旅人は退屈しなかっただろうか。以前、単調で、まっすぐ伸びる街道を歩くのはきつい、道は適度に曲がっていて、先の目標が見えるのがよい、と書いたのだが、それを思い出したのである。杉しか見えない道だから、うんざりしたのではないか、などと余計なことを思ってしまったのである。そんな杉並木に、整備の隙間をかいくぐったのか、あるいは意識的に許したのか、山桜の枝が杉の間から伸びて、濃い緑一色の中で、まるで行灯が照らしているように、淡い桜色が見えた。ホットする一瞬であった。

 かつて東照宮の神領とされた参道に寄進された杉並木であるが、歩いてみると、大沢でその正式な杉並木が始まる前に、宇都宮環状線を越えて間もなくから、多彩な樹が植えられた並木が始まって、次第に杉が増えて行く。山桜からはじまって、ケヤキ、イチョウ、もみじなどで、まだ、桜が咲き残っていることもあり、なかなか味のある並木をつくっている。地図から読みとると、断続的ではあるが、10数キロも続いているようだ。まさに、宇都宮からの日光道は「並木街道」である。

 宇都宮に入る前から、登場して日光に至るまで続いたのは、大谷石づくりの家々である。蔵はほとんど例外なく大谷石づくりだし、大谷石による蔵造りの民家や商家も多い。どれも、大谷石のブロックを
積んだ造りだと思っていたが、多くは木造の構造に、大谷石を比較的薄くスライスした板状の石を張っていることを知った。写真は宇都宮駅近くの奥州道中沿いで公開されている「旧篠原家住宅」で展示されていた断面模型である。ここにも、立派な大谷石の蔵があり、その構造を説明しているのだ。漆喰の白い帯は、大谷石をおさえる釘状の金具を隠すためでもあるようだ。

 今は、明治村に保存されている帝国ホテルの玄関も大谷石づくりであった。ライト館の完成披露宴当日の宴直前に関東大震災に遭ったが、ほぼ無傷であったという。こちらは大谷石のブロックを使ったものだろう。しっとりした独特の風合いが醸し出す雰囲気は、日光街道の顔として印象的である。大谷石の産地は宇都宮市内の大谷町で、採掘場跡の地下大空間の利用がよく話題になる。行ってみたいところである。

 旧日光道中を歩いて、旧街道の面影は、これら杉並木と大谷石だけといってもよさそうな、しかし、それで充分すぎるほど、大きくて個性的な存在といえそうだ。

 
 
 
宇都宮から徳次郎へ 
 
  
   
   
 
        
   
   
   
 
   
   
 
 
第六接合井(map ページの説明を参照 
 
 下徳次郎・中徳次郎・上徳次郎を経て大沢へ
 
 
  大谷石づくりの塀や門柱、蔵が続く 
 
 
 
 
                    
 
 
                         瓦にも大谷石を使っている
 
 
 
                        
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
                         
 
 
    
                                                       
  
   
 
 
 
 
 
 いよいよ神領杉並木である
 
                              
 大沢から今市へ
 
       
  航空写真でも、この杉の帯が伸びている  
 
 
  
 杉並木にはいくつもの一里塚があり、いずれの塚にも杉が植えられている 
この七本桜の一里塚では、杉に、大人4人が入れる大きな空洞があり「並木ホテル」と呼ばれているという
 
 杉一色の並木に咲く山桜にホッとする
          
 今市には、見事な八重桜が咲いていた 

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