旅日記-我ら青春の1ページ 伊豆半島一周 第2日 天城縦走-下田街道-大滝温泉 |
昭和35年3月12日 土曜日 曇のち晴 |
今日の地図 昨日に打って変った天気に目を覚ます。 マット1枚と毛布2枚の寝具には閉口した。 が、我々貧乏人にはいたしかたがない。 七時の起床予定より一時間も早く(*1)起こされ、見晴台に登って富士を背景にして記念写真一枚。 自分は飯タキをしたが、これを昼食にまわす。 朝食はスープとパンとジャム(リンゴジャム紛失。夜はコワイもの)。 ロッジを後に出発する。 時は10時。 予定より遅れる。 遠笠山のサイドを横切り、四辻に至る。 ここで休息。 犬と野うさぎの闘争。――かわいそうにうさぎは殺される。 ここから万二郎岳の登山口まであしびのトンネル。 たいへんすずしく快適な(*2)ハイキングコースだった。 万二郎岳まで急傾斜のため、グロッキー寸前まで行く。 二郎と三郎の中間で昼食。 皆この時は食が良く、だいたい2合以上食べているだろう(*3)副食としてサンマ、牛モツの缶詰、福神漬け、ウメボシ、水。 万三郎岳の頂上で、大島ならびに諸列島が遠望できた。 また、三原山の噴煙も同時に明白に観察出来た。 これから戸塚峠、白田峠を越え、八丁池に至る。 この道はほとんど水平で、疲れが少かった。 八丁池の水を飲む。(*4)八丁池から一気に天城トンネルまでぬける。 ここで30分近くバスを待つ。 バスで45分近く乗り、七滝入口でおりる。 旅館天城荘に落着く。(*5)1人550円の予定。(*6) ここの温泉は、今日の日程で一番印象に残る。 岩風呂は全国でもわずかしかないそうで、我々に多くの興味を与えてくれた。 そろそろ病人が続出。 足のまめでウナッテいるもの。 鼻血で頭を冷やしている者。 夕食。 550円(*7)の割には副食が多かった。 一応列記してみよう。 飯、スイモノ、サンバイ(*8)、茶ワンムシ、魚のフライ、サラダ、サシミ。 食後ピンポンする。負けた。(*9) 今日の教訓。 くつの大きさ、胃の大きさを はっきり決めておくこと。 y.m. <私ダケが知っている> (追記) [穴風呂の真相] 事件のアラマシ: 入口に3人の女性の着物、下着(見えなかったけど)があり、さらに一人の女性がヌイでいたにもかかわらず、風呂に入った。 主犯: 水島および服部の共謀。 大原はヨソウ、ヨソウと言ったが結局入れられたカッコウ(結局共犯)。 註: 升谷は運悪く(?)部屋にいた。(*10) <日記ページへの当時の落書き> *1 <ネゴトに> *2 <バテタクセに何いってんだ> *3 <3合以上の奴もいたぞ。1合に遠慮したのもいるんですヨ。> *4 <クレオソートは飲まされた。水は自分で飲んだ> *5 <オチツケない部屋だったけど> *6 <天城荘に落着くまでの話。東京から来た女性(特に形容詞はつけない)にサカンに・・・・して天城荘のような変な所にキタ。(服部と升谷のため)><他の二人は不能者> *7 <コノ値段で満足スル。ココデハマダねぎり屋の才能発キデキズ> *8 <?> *9 <不戦勝もいる> *10 <三人とは趣味がちがうもの!><たった一人で部屋の中で何をしていた> 今日の地図 |