home 腹の出た年輪の物語 ページへ
旅と散歩のページ の目次へ

2003年7月6日号

 コマツヨイグサ  月見草
コマツヨイグサ(横須賀市で)
 本物のツキミソウだったら、と思って駆けつけたら、黄色いコマツヨイグサでした。 懐中電灯で見ると空き地一面に咲いていました。 昨年までは背の高い草に覆われていましたが、今年、道路工事の資材置き場として使われた時期があり、整地されたため植生が変わったようです。 翌朝にはすべてしぼんで赤くなっていました。 
赤く見えるのは前夜に咲いてしぼんだ花。 中央やや上がぼんやり明るいのは懐中電灯によるもの
 太宰 治が、「富嶽百景」の中で「富士には月見草が良く似合う」と言ったときの月見草は、実はオオマツヨイグサであると聞いていましたが、他のマツヨイグサの仲間であるとの説もあるようです。 太宰 治が富嶽百景の中で三ツ峠そして月見草に触れている様子は「青森の自然」のページに詳しく紹介されています。
オオマツヨイグサ(青森県浅虫で)

 本当の月見草(ツキミソウ)は純白で、夜間に開き、日の出前にしぼんでピンク色に変わるといいます。 南アメリカ原産で江戸末期に渡来したとのこと。 その頃渡来したマツヨイグサがたちまち野生化して広がったのに、ツキミソウはあまり強くなくてまれにしか自生を見ることが出来ないようです。(保育社:野草図鑑第7巻:長田武正著)

 昔、中学の夏休みに信州野辺山に行ったとき、このオオマツヨイグサを見て高山植物であると思い込んで感激。 その後、種子が貨物に付いて港から鉄道で全国に広がった帰化植物であると聞いて、別の感慨を覚えた記憶があります。 たしかに、どこでも線路わきに見ることが出来ます。

  ツキミソウやマツヨイグサの仲間はいずれもアカバナ科です。 形も色もやさしい花ですが、多くの種類があるようです。 名前だけ並べると、
オオマツヨイグサ(北米原産品からヨーロッパで作った園芸品種。 明治の初めに日本入り。 高さ0.8〜1.5m、花は直径10cm近く)、メマツヨイグサ(北米。 明治後期に来日? 茎の毛が赤くない。 花は直径1.5〜3cm)、アレチマツヨイグサ(ほぼ=メマツヨイグサ?)マツヨイグサ(南米原産。 江戸末期に渡来。 高さ30〜90cm。 花は夜開く。 花弁の幅が3cm)、コマツヨイグサ(北米産。 昭和期に来日、全国に広がる茎はやや地を這う。 花は径2〜3cm)、ツキミソウ(南米産。 江戸末期渡来。 高さ20〜60cm。 夜開き、日の出前にしぼむ花は純白で径5〜6cm)、ヒルザキツキミソウ(北米産。 園芸種だが野生化も。 白またはピンクの花は昼に開く)・・・・・・。 以上、いずれも保育社の野草図鑑第7巻(長田武正著)からのデータによるものです。
  この中で白い花はツキミソウとヒルザキツキミソウの一部らしいのですがぜひ見てみたいものです。 ツキミソウは写真で見るかぎり、透き通るような繊細な白い花のようです。花言葉は
「入浴後の乙女」とか
旅と散歩のページ の目次へ