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天の果て、地の底への基地を訪ねる

2005年の夏の記録
信州・野辺山「電波天文台」 「天の川鑑賞」のはずだった農場

2005-8-2,3

宿から1分半ほど歩くと、この「ヤマナシの木」のある畑の道に出ます。
ここまで来ると、もう、真っ暗で、絶好の天の川ビューポイントです。
この近くの原っぱに、シートを敷いて、寝転んで天の川を見上げながらベヘロフカを飲むつもりでした。
でも、雲の切れ目から星が数個見えるだけなので、
会場をペンションの食堂に変更しました。
野辺山は、とても大切なところです。 「腹の出た年輪」が、「初めて見渡すかぎり花に彩られた高原を歩いたときの驚きと感動」と、トップページの冒頭に書いたのはこの野辺山のことだったのです。 昭和28年、中学の夏の林間学校でした。 当時は、畑よりも森と原野が多かったのです。 今も、その面影を見ることはできますが、驚くほど開拓されてしまいました。 そのときの宿舎は、信州大学の野辺山農場でした。 その農場は今、
こんなにスマートになっていました。 あの、蚕棚ベットの、しみだらけのぺちゃんこの布団や、薄暗い、たたきの食堂が今もしっかり目に焼きついています。 当時、顔を洗ったと思われる小川もありました。 朝、霧が晴れると一面の花が咲き乱れていたのは、この庭でした。 ツキミソウを高原の花と勘違いして感激したのですが、注意してみると、野辺山は確かにツキミソウ(オオマツヨイグサ)の多いところです。
今、野辺山は星の観察の名所です。 全天に輝く星を見ることのできる暗さが守られているからです。 同じように、山に囲まれて電波のノイズも少ないためにつくられた国立天文台の大電波望遠鏡が有名です。 大パラボラアンテナは直径45mです。 また、直径500mの電波望遠鏡に相当するという、6台の10m径パラボラからなるミリ波干渉計もあり、ここは世界最先端の観測基地です。 この施設のために、野辺山の家庭には、テレビのアンテナがないそうです。 ノイズを防止するために、電波は有線で送られているのです
下は、直径500mの電波望遠鏡に相当するという、6台の10m径パラボラからなるミリ波干渉計です
レール上を移動して位置調整をするそうです
帰りは、小海線に沿って北上し、八千穂から入って、麦草峠で北八ヶ岳を横断するルートで蓼科に出ました。
標高2,100mでした。 当時なら、登山者以外はたどることの出来ないルートでした。
八千穂高原から麦草峠付近には、花が咲き乱れていました。 夏真っ盛りで、元気をもらいました。

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