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チェコビールワイン強い酒
 上の写真を説明する。 左は、我々をウイーンからチェスキー・クルムロフまで運んでくれたバスの運転手、Pさんが、プレゼントしてくれたビール、「コーゼル」である。 ヤギのマークが目印で、黒ビールに定評があるという。

 中の写真のびんビールは、ホテルの冷蔵庫から出した「ブディェヨヴィツキー・ブドヴァル」であるが、一般的には、「ブドヴァイザー・ブドヴァル」と呼ばれる。 
アメリカのバドワイザーはこの名を真似をしたもので、訴訟が起きたそうだ。 名前にあるように、ビールの町、チェスケー・ブディヨヴィツェで作られている。

 このほか、よく飲んだビールは、「プルゼニュスキー・プラズドロイ」という難しい名だが、別名「ピルスナー・ウルクェル」で、我々は単に、「ピルスナー」と呼んでいた。 現在、日本の主流となっているピルスナービール(ラガービール)の語源となった銘柄だそうだ。 バイエルンから招かれた技師の指導でボヘミアの大麦、ホップ、水とバイエルンの下面発酵酵母の出会いで出来た黄金色のビールで、それまでのダークビールを押しのけて瞬く間に世界に広がったという。 (地球の歩き方:チェコ・ポーランド・スロヴァキア、p.24より) 

 ビールに関する驚きは安さである。 クトナー・ホラだったと思うが、昼のレストランで、ラージサイズがチップ込みで100円以下であった。 ミネラルウォーターよりも、ジュースよりも、コーヒーよりも安いのである。 ただし、レストランで、ビールを飲むとき、どの銘柄にしますか、とは聞いてこない。 単に「ビール。 ラージサイズ、またはスモールサイズ」だけである。 店によって、銘柄は決まってしまっていて、いろいろ取り揃えていないらしい。
 日本でも、比較的最近まで、アサヒですか、サッポロにしますか、とは聞かれなかったから、さほどの違いはないかもしれない。 どのビールも非常にうまくて、飲みやすい。 なお、ラージサイズは、500cc スモールサイズは300ccである。 大体は、グラスに目盛りが書いてある点は他のヨーロッパの国と同じである。 ただし、同じスモールサイズを注文したのに、あきらかにグラスの大きさも中身の量も違うことがあった。 安いのだから、まあいいか。 どうやら、同じテーブルでも、同じグラスがそろわないことは、めずらしいことではないようだ。
  チェコでは大変ビールがおいしかったが、味が日本のビールに似ていることのほかに、空気が乾燥していて、からりとした爽やかな暑さが、ビールの味を引き立てたのではないか、というのが家内の説である。 そうかもしれない。 とにかく、うまかった。 

 今回、ビールを良く飲んだので、ワインは脇に押しやられた感があるが、もちろん味わった。 Tさんによると、あるお祝いに、チェコ産のできるだけ上等なワインを選ぼうと店に相談したら、赤でなくて白を勧められたそうだ。 チェコの気候が赤には向かないとか。 また、最近の温暖化傾向で、チェコでは農作物が豊作続きだそうだが、ぶどうも非常に出来が良くて、ワインは通常、「××年のものが良い」という言い方をするが、こだわらなければ、2000年以降のものはどれも非常においしいそうだ。

 さて、上の右側の緑色のボトルの写真は、帰ってから写したものである。 まだ開けていないボトルである。 プラハの空港で買ったのだが、店によって値段に倍も差があることに驚いた。 高い方を買ってしまったから、こんなことを書いて嘆いているのであるが。 「ベヘロフカ」という、約40%のアルコール濃度の薬草酒である。 ある友人は、養命酒の強いものと思えば間違いない、と書いている。 100種の薬草が使われているそうだ。 大変有名な酒だが、名前を覚えにくくて、日本人は、よく「ヘベレケなんとか、という酒」と表現するそうだ。 よく分かる。

 プラハ旧市街のレストランでの、今回の旅の最後の夕食から帰ってきた後、ホテルのカフェバーに全員10名が集ってツアーコンダクターのSさんへの感謝の集いをした。 そのときに、この酒を注文したのが3人。 お替りしたのが二人だ。 強くて、ひっくりかえるよ、と脅かされたので、ストレートを避けて、グレープフルーツジュースで割ったのを飲んだ。 だから、ジュースを飲んだらいつの間にか酔いがまわった、という具合で、この酒の本当の味はまだ知らない。
 仲間との飲み会で、早くこの封を切りたいものである。

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