田園風景 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
行けども行けども牧場と牧草地が続く。菜の花が一面に広がるところも多い。ベルギー、ルクセンブルグへと走っても同様である。今回の行程で畑作地として使っているところを見たのは、ほんのわずかである。不思議である。「世界は神が作ったが、オランダはオランダ人が作った」といわれるように、国土の4分の1は干拓によって生まれたと聞いている。それほど大切な土地を、牧場や牧草地として使うのはもったいないのではないかと思うのである。オランダの農業生産は全産業のうちの4%以下と少ないのは、これほど広大な土地を牧草地として使っているからでは
運河が縦横に走り、風車が水を汲み上げて海面以下の土地を守っている様子が随所に見られたが、驚いたのは、畑の真ん中を船が走っていることであった。遠くからは水路が見えず、船だけが見えるからである。 今回、32kmの締切大堤防を渡った。もともとのゾイデル海を仕切って淡水のアイセル湖に変え、湖面の標高をマイナス6メートルに下げて膨大な干拓地を作ったのが1932年というから驚きである。この湖の面積1250平方キロは東京湾(狭義の観音崎・富津岬までで922平方キロ、広義の剣崎・洲崎までで1320平方キロ)に匹敵する。右下はその大堤防の写真で、右がアイセル湖、左が北海である。なんとなく、右の方が低く見えるが、気のせいか。 入国前、スキポール空港に着陸するために高度を落とした飛行機の窓から見ると、オランダはまるで洪水にあったのではないかと思うほど、水に囲まれていた。アムステルダムなどの町も、運河や港は淡水であり、海からは運河の途中にあるロック(閘門)で水位を調節して船を上げ下げしている。農地では、水を汲み出す役割は風車から電動ポンプに変わったこともあって、今では悲壮感はないのだろうが、水のコントロールが国にとって最大の仕事であることには違いなさそうである。地球の温暖化防止対策に熱心な事情がよく理解できる。 |
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